あの日からもうすぐ2年になります。私の人生を変えた日。それは宮本塾に面接に来た日のことでした。30分ほどの面接の後、中学生レベルの簡単な入社テストを受けました。
今まで20年近くいろいろな塾や家庭教師として英語、数学を中心に教えてきたので、その経験から軽い気持ちでテストに臨みました。しかし、結果はボロボロでした。英語は簡単な問題でしたが私は答えることができませんでした。
数学は方程式の問題で答えは出たのですが「解くのに時間がかかり過ぎだ」と指摘されました。「数学は簡単に解かなければなりません。数学は怠け者ほど良くできるんです。」と言われました。どうすれば簡単な計算で簡単に答えに近づくことができるか。簡単に解けば計算ミスもなく短時間で解答に到達できます。数学の苦手な生徒は時間がかかるのが何故だか分かりますか。それは途中で計算ミスをおかし、問題の意味を忘れるからなんですよ。宮本塾では50分の模擬テストはほとんどの生徒が20~25分で解いてしまいます。だから丸亀高校トップ10のなかに9人の生徒が入れるんです。坂出高校においても然りです。」と言われました。私の今までの20年は何だったのか。あまりに悔しく、あまりに情けなく自然に涙が出ました。帰りの車の中で、「1ヶ月必死で勉強して、もう1度テストを受けさせてもらおう。」と考えていました。ところがその日の夕方、宮本先生から「やる気があるなら宮本塾に来なさい。」「一人で勉強するのは大変だから塾に来て一緒に勉強しましょう。」と電話をもらいました。私は、宮本塾にお世話になり、もう1度初めからやり直そうと決心しました。
入社してからは宮本先生の私への特訓が始りました。宮本先生の授業を受けてから、同じ授業を生徒に行いました。その結果、私の方が嬉しくなるほど英語、数学が楽しくなりました。今まで怠っていた基礎的な事が分かり頭の中でパズルが組み上がっていくような気分になったからです。宮本先生がなぜ英語、数学が好きで、あれほど上手に授業できるかを「なるほどなるほど」と納得しながら授業していました。 しかし宮本先生の特訓は厳し過ぎて、泣きながら塾講師の仕事を辞めようと思い相談したこともあります。その時、宮本先生は「この仕事が適しているか否か決めるのはあなたではなく生徒です。あなたは黙ってもう少し頑張って私についてきなさい。」と言われました。
そんなある日私は自分の体重のせいでぎっくり腰になり、やむを得ず授業途中で退社し、翌日一日お休みをもらいました。すると私の担当する生徒達が私のことをとても心配して電話をくれました。私は途中で諦めずにこの仕事を続けて本当によかったと全身で喜びを感じました。宮本先生のおっしゃった言葉の意味がそのときようやくわかりました。
今、私は生徒達と共に楽しく、本当の学力をつける授業に取り組んでいます。自分で言うのも恥ずかしいのですが生徒達に人気のある講師の一人になっていると自負しています。宮本先生から「えーのー、たくさんの生徒からラブコールがあって」とやきもちを焼かれる日々です。これからも日々精進していくつもりです。
私は宮本塾に入社する前、他の塾で英語講師をしていました。
私自身、小学2年生から高校3年生まで宮本塾に通っていたのですが、他塾がどんなものなのか知ってみるのも良いと思い、また正直宮本塾の厳しさは十分に知っていたので、敢えて他の塾に入社することを決めました。
入社試験は、宮本塾の塾生だったということだけで免除され、即採用されました。その時、宮本塾が一目置かれている存在であると気づきました。
入社後、私は教えた経験が一切無かったのですが、能力が様々なバラバラの20人程で構成された能力差のあるクラスをいきなり任されてしまい、非常に戸惑いました。
生徒の学力は、クラスを少なくとも5つに分ける必要があるぐらいバラバラでしたが、その塾では、一斉授業をするようにと言われました。その結果、学力の高い生徒は退屈な教材で時間を潰す一方で、学力の低い生徒は、何一つ理解することなく、終始答えを写す作業をして帰宅するという始末でした。そんな授業をくり返すうちに、言い知れぬ怒りがこみ上げてきました。
「学力がある生徒は、もっと伸ばすことが出来るのに!」という感情と、「授業についていけていない生徒の力になってあげられない」という無力感です。
そして、私はその職場を辞め、宮本塾に入社することに決めたのです。
宮本塾は、クラスを生徒の学力別に分けます。ですから、学力の高い生徒が授業中に退屈したり、また学力の低い生徒が授業に置いていかれるということは起こりません。自分が塾生だった時には、学力別クラス編成は当然のことと思っていましたが、他の塾の現状を知り、なぜ宮本塾がこの方法をとるのか実感しました。
また、宮本塾は基礎の理解を徹底させます。例えば、be動詞と一般動詞の区別が出来ていない生徒に、『現在完了や関係代名詞を理解しろ』、というのは無理な話です。しかし、他塾では、これが一般的なのです。私が、宮本塾に入社する前に働いていたその塾でも、生徒が基礎を理解していないということに気づきながら、無理矢理に問題演習をくり返していました。宮本塾は、絶対にそんなことはしません。徹底的に基本を理解させてから、次のレベルへと進むのです。
私は、この方法で教えられてきたので、気が付いたら英語が大好きになっていました。
中学時代に、文法の基礎を教わっていたので、高校英語の理解は他の人よりも楽だったと思います。
そして中学生のうちに、暗記するという習慣が身についていたので、高校では英単語や構文をすんなり覚えることが出来ました。その結果、高校では3年間トップを走ることができ、それが自信に繋がり、3年間をいきいきと過ごすことが出来ました。
今は、生徒から講師という立場へと変わりましたが、私が学生時代に宮本先生や他の先生方から教わった、『楽に英語を身につける方法を、今度は私が生徒達に教えてあげたい』という想いで、日々頑張っています。
宮本塾では、私のように卒塾生であっても、講師という立場になると生徒の時以上の訓練が必要です。以前働いていた塾とは違い、毎回授業前について注意、教材の準備、指導方法について指摘されます。特に「大切な子供を預かり、育成する責任がある。生徒の貴重な時間を有効に利用しなさい。」といつも講師指導されています。
まだまだ新人の私は、苦しい事も沢山ありますが、教えている生徒が英語を理解し始め、自分に自信を持ち、いきいきとしている姿を見ることは、新人教育の苦労も吹っ飛んでしまう程うれしいもので、一日一日生徒と共に成長していく充実感にひたっています。